ヤフーニュースにこんな記事が掲載されていました。
「美ST」謝罪 マッキーを白髪染めに使用「筆記を目的として製造」
これについて美容師という立場から考察してみようと思います。
美ストの特集記事とは
謝罪の原因となった記事の内容は、どうやら「白髪染めをしたあと次の白髪染めまでの間に気になるところにはマッキーでごまかそう」というものだったらしい。
この「次の白髪染めまでの間」に悩んでいるお客様は実際に多い。
わたしの顧客の中でも、染めてから一週間くらいで気になり始める方もいた。一週間といったら一般的な髪の伸びるスピードで言えば2.4ミリほど。そのくらいでも気になる方がいるのも事実である。
なのでもしかしたら「マジック」を使用したりする人もおそらくいるのであろう。
ただそれを「個人の判断」で「個人の責任」のもとで使用する分には問題ないと思う(自分でやっておいてメーカーにクレームを入れることをしなければだが)。ちなみに問題ないというのは、使用して毛髪や頭皮に問題ないという意味ではないことも付け加えておく。あくまで
今回問題だったのは、雑誌という影響力のある媒体を通じて、それを推奨するような記事を掲載したことである。
美ストという雑誌の立ち位置
この雑誌は女性、特に40代から50代の女性をターゲットにした雑誌であると認識している。
「美魔女」なる言葉を生み出したものもこの雑誌であった。
そのくらい影響力のある雑誌の中で、このような記事が紹介されれば、実際に試す人も多くいると思う。
「油性マジック」を毛髪に塗るという行為は、毛髪に対してどのくらいの(悪い)影響を及ぼすかは、詳しい実験をしたわけではないのでなんとも言えないが、頭皮に対しては良くないであろうことは予測できそうなものだ。
そういえばわたしが高校生の時に、油性マジックでアイラインをひいてる「コギャル」がけっこういたことを思い出した(笑)。
万が一実際に実害が出たら、美ストを出版している光文社はどうするつもりだったのだろうか。また「マッキー」を製造しているゼブラも責任問題に問われる恐れもある。完全にとばっちりだ。
美容師という立場から
たしかに、そんなに頻繁に白髪染めに通うのは、ユーザーにとっては大変なことだと思う。
でも美ストの記事にある「白髪染めを2ヶ月に1回にする方法」なんていうのは他にもたくさんあるのでは。なんで「マッキー」なのかが疑問。安いから?(笑)
例えば、シャンプーすれば落ちるマスカラタイプのものや、スプレータイプのものもある。
市販で売られているヘアカラーもその一つと言えるだろう。
だからこそ、こんなふざけたやり方の記事が載ってようと笑ってスルーできるような、美容師とお客様との信頼関係が大事だと感じた。
そもそも「次のカラーまでのアドバイス」ができていればいいのだ。
「○○さん、美ストにこんな記事載ってたけどどうなの?」
「それはマズイですよね(笑)」
「だよねー(笑)」
みたいな信頼関係。
美容に関しての情報だったら、まずは担当の美容師に聞いてくれるような関係性。
そのためには、お客様に対して正しく有益な情報を常に提供していく必要があるんだと思う。
担当させてもらっているお客様にとって、ヘアにおいては一番の相談相手じゃなくてはいけないと感じさせてもらったニュースでした。
《追記》
尊敬するカラーリストの一人であるimaiiの中村さんが、この記事に関して検証したブログを掲載していました。
さすが、面白いしわかりやすい!
カラーリストとしても、ブロガーとしても勉強させていただきました。
中村さんのブログはこちら→巷で話題の マッキー染め を検証してみた
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